サーバ引っ越し(VPS調査)
はじめに
倶楽部活動の記録や情報整理のため、社内Wikiシステム「GROWI」を使っています。 今まではGoogle Cloud Platform(GCP)のサービスの一つであるGoogle Compute Engine(GCE)に構築してましたが、無料だと遅い!ということで引っ越しを検討してみました。
GROWIには、「GROWI.cloud」というレンタルサービスがありますが、勉強のためVirtual Private Server(VPS)を借りることにしました。
検討の経緯や比較結果をまとめてみます。
VPSの条件
現在使っているGCEですが、無料を維持するために以下のような制限がついていました。
- リージョンは米国
- マシンタイプはf1-microのみ(vCPU x 1コア、メモリ0.6GB)
よって、リージョンは日本、スペックはメモリがかつかつなのでメモリ1GB以上を条件とします。
また、円滑な移行と、費用の節約のため、時間単位の課金であること(月額課金でないこと)とします。
また、サーバ運用自動化のため、WebAPIやコマンドラインツールなどで外部からサーバ操作ができるものを条件にします。
以上+予算の条件を加えると以下の通りです。
- リージョンは東京
- メモリ1GB
- 時間単位の課金
- 外部からのサーバ操作
- 1月あたり1,000円以下
- 無料で試用できる
比較
候補は以下の3つに絞りました。
- AWS Lightsail
- Vultr
- ConoHa
条件は全て満たしているので、その中で差が出る部分を比較しました。
No. | 比較項目 | LightSail | Vultr | ConoHa |
---|---|---|---|---|
1 | 外部からの操作方法 | aws-cli(コマンドラインプログラム) | Web API | Web API |
2 | スナップショット価格 | 月額0.05ドル(USD)/GB | 0円 | 50GBまで0円 |
3 | 月額費用(メモリ1G) | $5 | $5 | 880円 |
4 | 月額費用(メモリ2G) | $10 | $10 | 1,680円 |
5 | スケールアップ・ダウン | スナップショット経由ならば可能 | 可能 | 可能 |
6 | 試用 | 1ヶ月間メモリ512マシン無料 | 1ヶ月間$100分無料(2020年4月時点) | 1ヶ月間700円分無料(2020年4月時点) |
AWS Lightsail
Amazonが提供するサービスです。 大手の安心感があります。
AWSでサーバを借りると言ったらEC2が有名ですが、EC2が飲み会で言う「席だけ予約」に対して、Lightsailは「飲み放題」に当たります。 EC2は様々なサービスやリソースを組み合わせて使用できますが、Lightsailはサービスやリソースがパックになっています。 自由度が少ないですが準備や学習にかける時間が少なく、また小規模なサーバであれば割安になります。
Vultr
アメリカにあるクラウドプロバイダーですが、日本にデータセンターを持っています。 コストパフォーマンスが良いとのこと。海外では人気のようです。
クーポンを使うと、最初の1ヶ月限定ですが100ドル分の利用料がもらえます。
ConoHa
GMOが運営するVPSです。今回の条件を満たす(おそらく)唯一日本企業のサービスです。
月額費用(メモリ1G)880円で割高に見えますが、CPUが2コアで他サービスの1コアと比べて高スペックです。 なかなかよさそうです。
結果
Vultrを選びました。と言ってもどれもこれも似たりよったりで、最初の使い勝手、つまりは試用がしやすかったのが大きな理由です。
解約も初期費用も無料、使った時間だけ課金なので乗り換えは容易です。興味があったらまず初めてみるといいと思います。